東日本大震災被災地をめぐる旅(付・東日本音楽祭)

東日本大震災被災地をめぐる旅をしてきた。




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被災地が気がかりでならなかった。
今回の東北訪問の旅は、もう一つの「被災地巡り」という
大きな目的を持つ。

前回少しだけ東北をめぐったが、他の所用のため奥地が多かった。

今度は音楽祭のあと、一人で被災地をじっくり見て回ることにした。

まず
10月13日(土)東日本音楽祭が岩手県一関市で開かれ、

そこからスタートした。
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「心に花を咲かせよう合唱団のうたう、「あすという日が」と
「心に花を咲かせよう」他の素敵なハーモニーは感動的だった。
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「あすという日が」を演奏中、私の斜め前方に座っていた女性が2人も、
ハンカチで涙を拭っている姿が、目に飛び込んできた。
大きな拍手とひときわ大きなブラボーの声が、印象的だった。
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「心に花を咲かせよう」の時も拍手の終わり頃、控え目なブラボーが聞こえていた。
ブラボーの声をかけてもらえる団体は、そう多くない。
ありがたいことである。

全音楽譜仙台営業所長が声をかけて下さった。9月7日東京のコンサートにいらしていたとのこと。

「心に花を咲かせよう」の楽譜、CDを販売してくださっていた。

終了後合唱団員と写真撮影。





被災地の旅が始まる。

まず宿に苦労した。ことごとく満員で、やっと三日前、小牛田(こごた)に見つけた。
一日目は音楽会と小牛田へ向かうだけで終わった。
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翌日、早起きして、まず電車で石巻に向かう。
駅前のタクシーに相談。貸し切りにするか、距離にするか。
距離でやってもらったが、結果はほぼ同じだった。
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6.9メートルのポール。ここまで津波が来た。
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日和山公園から災害を受けたところが一望できる。
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これは飾られていた震災前のプレート写真。

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すべて流された。島の白いドームは石ノ森章太郎ミュージアム。

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近くに日和幼稚園がある。地震の後、スクールバスで
出発して、津波に呑まれた。園に残っていれば助かった。
現在、父母の間で訴訟問題になっている。

欠けた自由の女神。近くの車と比較。大きさがわかる。
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門脇(かどのわき)小学校はプロパン爆発、火災の惨たらしさを見せつけている。
長渕剛が紅白歌合戦で歌った校庭で、凄まじい校舎をバックに、
明るく子供たちが野球の練習に励んでいる。

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なんにも無くなった。びっしり家が建っていたのに。雑草ばかりはびこっている。
雑草は強い。
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みずほ幼稚園では園長先生の機転でクリスマスに使ったサンタクロースの

ぬいぐるみを園児に着せて寒さを凌いだ。



市立病院の屋上は避難した人々をヘリコプターで救助した。
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瓦礫だけは残っている

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ビルの残骸。周囲の家はなにもない

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瓦礫を寄せ集めて、纏めても、片付かない・・・・・

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まだまだ残る。

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このままいつまで放置するのか。

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日本製紙石巻工場は動いている。

日赤病院も文化センターも機能していない。

この辺はきれいな公園だった。

大きな水産工場も荒れたまま。

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まるまる太ったカモメが日向ぼっこしている。
浮いてくる魚、加工中の魚、工場は機能しない、食料は周辺に溢れている。
このカモメたちも犠牲者だ。飛ぶことを忘れて・・・・・・。

この辺一帯は、悪臭がひどい。

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鯨の缶詰か?近くの工場の中にいっぱい放り投げてある。

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大手の企業は再建に向かう。

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女川湾に着いた。
大きなビルが倒れたままになっている。
近くの車と比べてその大きさがわかる。

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水が引くのに4日間かかった。

ボランティアが来たのは1ヶ月ぐらいたってからだった。

行政は何をしている。
しかし働かねばならぬ。
さあ、船は操業だ。
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穏やかな海
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心に痛いほどの青空。

その下に瓦礫の山。地面から二階建てぐらいの高さ。
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仮設の住宅。

冬は耐えられるのだろうか。

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雄勝地区へ入った。

ビッシリだった所が今は何もない。
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雄勝町の庁舎だ。

すべてプレハブ。

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雄勝硯伝統産業館と雄勝石ギャラリーも
営業していた。
小さなバラックで、簡易トイレで。
前は多分立派な建物だったであろう。
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商店街があった。



この公民館の屋上にバスが乗っていた。

バスは下ろされて横に置かれた。

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これが下ろされたバス。
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雄勝小学校も悲惨
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玄昌石の山
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雄勝中学校も
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大川小学校。

70人余死亡。4名不明。

裏の杉林に逃げれば助かった。

マニュアル通り近くの空き地に逃げた。

2~3人の生徒と先生が杉林に逃げて、助かった。

生き残った子達は、死亡した子の親にいじめを受けている。

その時の先生は・・・自殺した。

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訴える人はいる。

マニュアル通りに避難した発想・・・

結果論でしかない。

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慰霊碑が出来ていて、詣出る人は絶えない。

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塩害で枯れた木立。

茶色いところまで海水が押し寄せた。

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新北上川は滔々とながれる。

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ここも波の高さがわかる・・・。樹が枯れている。

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突然線路が切れている。

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壊れた鉄道。

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廃屋の街

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田束山(たつかね山)には千羽鶴がかざられている。

「世界のみなさんありがとう」のことばが痛い。

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気仙沼線は女川から先は、不通。バスが代行運行。

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歌津駅前、仮設の商店街が営業中。

ここは駅前で賑わっていた。

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45号の歩道橋上には逃げ惑う人がいっぱいだった。

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避難所では

「お父さんごめんなさい、ごめんなさい」子どもの手を離してしまった母が

狂ったように泣き叫んでいた。

悲惨な光景だった。
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「おらあ、何にも悪いことしていないのに・・・

神様はどうしてこんなことをなさるのか・・・」

運転手さんの言葉が胸にささる。

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南三陸町を通る。

ホテル観洋の名物おかみはホテルを開放して

被災者を受け入れた。

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気仙沼でタクシーをおりる。

運転手さん、気仙沼から石巻まで帰る。

お疲れ様。お気を付けて!!

駅前のホテルへ飛び込みで入ってみる。

運良く一室だけ空いていた。(珍しいことだという、

ボランティアや報道関係でいつもふさがっているという)

奇蹟みたいなものらしい。

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サンマのお刺身とフカヒレの姿煮、美味しかった。



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翌日はやはり早起きして宿を出る。

気仙沼線は気仙沼で止まっている。大船渡まではバスかタクシー。

迷わずタクシーにする。

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気仙沼は高台もある。

地震の後、津波の一波が来たのは30分後だった。

病人が這っていっても高台へ行けた。

一波を見てそれから車で逃げた人が全部亡くなった。

津波を甘く見た。防災マニュアルをもう一度見直さないと

だめだと運転手さんは言った。



押し寄せてくる波は墨汁のようだった。

その中に発泡スチロールの白が、浮かんで、押し寄せる。

それを見ながら必死で逃げた。ほんとうに怖かった。

女性が多く死んだ。

彼女たちは家へお金をとりに戻って死んだ。

もっともっと犠牲者は減らせた。

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公民館へ皆が逃げる中、母親の判断で、自宅の三階に上がった。

その方が安全だと思った。子ども達は母に従った。そして犠牲になった。

公民館へ逃げた人は助かった。

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海岸に幼稚園があった。いち早く逃げた。こどもを迎えに行こうと、

父と母は別々に幼稚園に向かった。互いの携帯はつながらなかった。

父と母は帰らなかった。子どもだけが残された。

あしなが育英会(品川)がそういう子達を18歳になるまで

見ようと立ち上がった。



高田県立病院は医師まで命を落とした。

患者を放って逃げることは許されなかった。



気仙沼小学校の児童は、霙の降る寒いなか、親が迎えに来て

家へ帰った者が死亡した。

寒い中で身体を寄せ合って、学校に残った人は生き残った。



何を言っても、結果論である。

ああすれば良かったと、後から言っても、それは

運命でしかない。

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ここまで波が来てまだ水が引かない。土地は陥没している。

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青のりが陸に定着して育っている。

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魚が捕れても冷蔵庫がない。

船が入ると、輸送車が待っている。すぐ積み込む。すぐ陸送。

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気仙沼に

巨大な船が陸に止まっている。

大槌町にはビルの上に乗っかっている船がある。

この船は320トン。青の上部、赤の下部の境界線が吃水線。

吃水線が隠れないと船は浮かない。

ということは、あの境界線よりも上まで水が来たということだ。

そして船は流され、もっと内陸まで来た。

そして引き潮は速度が速い。また押し戻されて、ここに止まった。

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この気仙沼は火の海となった。夜通し炎が燃え盛った。

22基の石油コンビナートが壊れて石油が流れ出た。

流れ出ただけなら火災は起きない。

住民の家々では、プロパンのバルブを閉めないで皆が逃げた。

ボンベがぶつかる。火が出る。火が付く。ドーンと破裂する。

火災の町となって燃え続けた気仙沼市だった。

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ここには7万本の松原があった。

その中で一本だけ残った。奇蹟の一本松である。

ついこの間伐採した。防腐加工し、いずれまたこの地に戻される。

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この松原の横に気仙中学がある。

ここも廃屋になった。

犠牲者なし。山へ逃げて全員が無事だった。

アメリカへ流れ着いたバレーボールが、後に無事届けられたという

学校である。

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気仙沼市では屋根の軽い家は持って行かれた。

低い土地でも何十トンもある瓦の重さで耐え残り、

もっと高台にある家が流された。

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軒を連ねた町だった。

陸前高田市。市役所では戸籍が全部流失した。

市役所にいた人が亡くなった。

この付近は公民館、デパート、体育館、がビッシリだった。

軒を接した家が並んで、空き地はない。反対側は7万本の松原だった。

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土地が陥没している。





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陸前高田市は津波がビルの4階まで来た。気仙沼は3階までだった。

陸前高田市は広田半島と唐桑半島にはさまれた、志津川湾の根元にある。

両側から波が拡幅された。

アパートの4階まで波の跡がある。5階はベランダのフェンスが残っている。

このアパートは2棟。前のアパートは波をかぶったが、後ろの棟は無事だった。

前のアパートが防波堤になって防げたのだった。

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大船渡に入りタクシーとお別れ。細かく説明してくれてありがとうございました。

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大船渡漁港
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ややもすれば忘れかけている震災。

復興はまだまだされていない。

この目で見てきた1年半後の被災地の模様を、

自分だけの記憶として残すので無く、一人でも多くの人に、知ってもらいたくて

書き留めた。

この旅で声を交わした多くの人々。みんな穏やかな笑顔で話してくれた。

宮城県の人、岩手県の人、みんなやさしかった。

光景を眺めてともすれば笑顔を失いがちの私を、逆に励ましてくれた。



いま思う。兎に角みんな行って欲しい。

そして自分の目で見て、被災地で消費し、物を購入し、

お金を落としてほしい。

それが我々の出来る、一番手っ取り早い復興支援なのだ。



国の計画が前に進まない。復興予算の使い道が見えない。

関係ないところに補助金が使われている。



我々はじっとしていてはいけない。

出来ることから支援しなくては。

こちらで開かれる物産展でもいい。アンテナショップでもいい。


帰りのバスで、車窓を眺める。

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大船渡から帰るのは、鉄道が不通のままなので、代替バスしかない。

長距離バスで帰途につく。一関まで特急の路線バスで2時間半。

途中トイレ休憩がある。

一関から新幹線で旅も終わる。

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お土産を購入した。

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