【詩の解釈と読み方並びに音楽的表現に与える影響】

ある指揮者の方から問い合わせがあったそうで、
某作曲家の方から質問が寄せられました。

私の作品「たった ひとつ」の中で
「これから歩いて 行く道が」の「行(い)く道」と
「生きていく 力となれるもの」の「生きていく」
の2箇所をそれぞれ「行(ゆ)く道」「生きてゆく」と
歌ってはいけませんかというものです。

【私の返信】から抜粋

さてお申し越しの件

結論から申し上げますと
「これから歩いて 行く道が」は、当然「ゆくみち」が正解です。
「いきていく 力となれるもの」は、 正直言って「いく」でも「ゆく」でも
どちらでもいいです。単に発音のゆれですから。
好みの問題で私はここでは「いく」を採用していますが
指揮者の方が「ゆく」のほうが、音楽的に、はるかにいいと
おっしゃるなら、「ゆく」で歌ってくださって何の異存もありません。
よろしくお願いしますとお伝え下さいませ。


蛇足ながら
そこに至る考えを書いてみますと、
「行く」が本来の場所の移動を意味するならば「行く」でよいです。
たとえば「道は険しいが頑張って行こうと思った」などです。

それに対し
「動詞+ていく」のように【時間的な継続】を表す場合
ひらがなで「いく」と書くのが原則です。
たとえば「これから先大変なことが多いだろうが一生懸命
生きていくつもりだ」などは「いく」が適当かと思います。
漢字だから間違いだというわけではなく、小説などでは
どちらも使われています。

そこで読み方なのですが
これは言葉の「ゆれ」でありどちらもまちがいではありません。
口語的には「いく」 文章的には「ゆく」。昔はほとんど「ゆく」。
現代は「いく」が基本という認識でいますが、・・・

もうひとつおまけの蛇足・・・
文化庁の『国語施策情報システム』の中に、
「国語審議会の記録」として次のような記述があります。
「参考資料」→「各期国語審議会の記録」→
「第5期」→「発音のゆれについて報告(3)」→「10」 に
「イク」と「ユク」(行く)も同じように考えられ,標準的な形として
口頭語的な「イク」を採るとしても,改まってものを言う場合や文章語では,
やはり「ユク」を使うこともあるであろう。
(ただし,「行くえ」「行く末」「行く手」「行く行く」などは「ユク」である。)
当用漢字音訓表では,「良」には「よい」,「行」には「ゆく」「いく」の訓を認めている。

となっています。
どうぞよろしくお願いもうしあげます。

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2017年8月3日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:ブログ

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